2005年01月15日

PIXIES



●メンバー:

  ブラック・フランシス(vo,g)
  ジョーイ・サンチャゴ(g)
  キム・ディール(b,vo)
  デヴィッド・ラヴァーリング(ds)


●ディスコグラフィー

  COME ON PILGRIM (1987)
  SURFER ROSA (1988)
  DOOLITTLE (1989)
  BOSSANOVA (1990)
  TROMPLE LE MONDE (1991)


 * * * * * * * * * * * * * * * *

 【ピクシーズは、誕生からオリジナリティの塊だったと言える。どんなバンドとも相いれない不思議な色。それは、このバンドが分かりやすいバックボーンを持っていなかったからであろう。バンドを始める前、ヴォーカルのブラック・フランシスは、部屋にこもって音楽を貪り聴く少年だったという。豊満な容姿そのままに、雑食獣のごとく音楽を取り込む姿勢は、そうした“開かれた耳”によるものだ。しかし、面白いことにバンドでの提示の仕方は至ってシンプルだった。AメロとBメロしかない単純な構成を、静/動のスイッチでドラスティックに切り分ける。もしくは同一コード進行でメロディだけが推移していく。この、ピクシーズが推し進めた極端な基準は、紛れもなく一つの音楽的手法であった。事実、ニルヴァーナ、レディオヘッド、ウィーザーなど、後に活躍することになる多くのバンドがその手法を真似したと告白したのだから。ピクシーズ以前/以後では音楽スタイルが違う。これは決して大げさな理論ではない。】

 (小口正貴、クロスビート2001年1月号より)

2005年01月06日

DAVID BOWIE



●ディスコグラフィー

  DAVID BOWIE (1967)
  SPACE ODDITY (1969)
  THE MAN WHO SOLD THE WORLD (1971)
  HUNKY DORY (1971)
  ZIGGY STARDUST AND SPIDERS FROM MARS (1972)
  ALADDIN SANE (1973)
  PINUPS (1973)
  DIAMOND DOGS (1974)
  YOUNG AMERICANS (1975)
  STATION TO STATION (1976)
  LOW (1977)
  HEROES (1977)
  LODGER (1979)
  SCARYMONSTERS (1980)
  LET’S DANCE (1983)
  TONIGHT (1985)
  NEVER LET ME DOWN (1987)
  BLACK TIE WHITE NOISE (1993)
  OUTSIDE (1995)
  EARTHLING (1997)
  HOURS (1999)
  HEATHEN (2002)
  REALITY (2003)


 【30周年を迎えた2000年のグラストンベリー・フェスティバル。最終日の最後に登場したデヴィッド・ボウイは“スターマン”“ステイション・トゥ・ステイション”といった久々に歌う代表曲から“野生の息吹き”“ビギナーズ”のような隠れた佳曲まで、幅広い選曲で36年に及ぶ音楽活動を総括してみせた波立つ黄金色の長髪や貴族風の衣装はこのステージ専用だったようだ。前回出演した71年当時のスタイルを意識したのだろう。この公演を見ていて思い知らされたのは、次々と繰り出すキャラクターとか、変容を重ねる音楽様式とかは、ボウイの本質にあまり重要ではないということ。まして、グラム・ロックとかはどうでもいい。ボウイの音楽の骨格は「曲」と「声」と「詞」でできている。地球の終わりという劇的な状況を設定することで孤独な人間の魂をえぐり出した“5イヤーズ”のような手法は傑出しているが、その切実さを支えているのはこの三要素。あえて分類すれば、ボウイはシンガーソング・ライターなのだ。】

(広瀬融、クロスビート2001年1月号より)

RADIOHEAD



●メンバー:

  トム・ヨーク(vo,g)
  ジョニー・グリーンウッド(g)
  エド・オブライエン(g)
  コリン・グリーンウッド(b)
  フィル・セルウェイ(ds)


●ディスコグラフィー

  PABLO HONEY (1993)
  THE BENDS (1994)
  OK COMPUTER (1997)
  KID A (2000)
  AMNESIAC (2001)
  HAIL TO THE THIEF (2003)



 【もしレディオヘッドが歌のないインスト・バンドだったら・・・・・・と、ふと考えてみる。そうしたら、「世界一思い入れられるバンド」にはならなかったのだろう。「ロックとは、”過剰な思い入れをも受け入れる音楽”である」。そういう意味では、レディオヘッドは今最もロックなバンドじゃないのか。
 音楽的にビートルズが8年間で成し遂げたことは驚異に他ならないが、エモーションたっぷりのギター・バンドから、”無機的な有機”を表現する音楽制作集団にまで変化したレディオヘッドの7年4枚も相当なものだ。ミュージシャンに支持者が多いのも当然だろう。誰もがやりたいけれどできない冒険を、彼らは続けているのだ。
 僕の周りでは「キッドA」に対して賛否両論が渦巻いている。よしよし。彼らもきっと喜んでいるはずだ。共鳴してもらえることとは別に、誰もが「嫌い」と言えない”聖域”になることは、誰よりも彼ら自身が決して望んでいないだろうから。】

 (播磨秀史、クロスビート2001年1月号より)


2004年12月31日

THE VELVET UNDERGROUND



●メンバー

  ルー・リード(vo,g)
  ジョン・ケイル(b)
  スターリング・モリスン(g)
  モーリン・タッカー(ds)


●ディスコグラフィー

  THE VELVET UNDERGROUND & NICO (1967)
  WHITE LIGHT / WHITE HEAT (1968)
  THE VELVET UNDERGROUND V (1969)


 【クラシックの現代音楽を学んだジョン・ケイルの持つ、不協和音やノイズといったそれまで(60年代半ばの時点)のロックの概念では考えられなかった前衛性。そのノン・ミュージシャン的な演奏パフォーマンスに見受けられるDIY精神。楽観的で逃避的なだけのラヴ&ピースのメッセージをせせら笑うような、裏社会の人の人間生活や、同性愛やSM、ヘロインなどのタブーを赤裸々に表現した、大都会の吟遊詩人ルー・リードの歌詞。全てが余りにも早すぎたVU。その退廃的な「悪の華」的世界観はデヴィッド・ボウイを媒介としてグラム・ロックに、DIY精神や前衛性はその後のインディ・ロックの精神的支柱に、そしてアルバム「V」に特に顕著な素朴な歌心溢れるメロディはギター・ポップ/ネオアコ・バンドに以後30年の長きに渡り語り継がれることとなる。彼らのこのような、空洞化したロック・ビジネスと対極をなす、現実を直視し、枠にとらわれず自由に音楽を創造しようとする姿こそ、紛れもなく「パンク/オルタナの元祖」である。】

 (太澤陽、クロスビート2001年1月号より)

2004年12月29日

U2



●メンバー:

  ボノ(vo)
  ジ・エッジ(g)
  アダム・クレイトン(b)
  ラリー・ムレン・ジュニア(ds)


●ディスコグラフィー

  BOY (1980)
  OCTOBER (1981)
  WAR (1983)
  THE UNFORGETTABLE FIRE (1984)
  THE JOSHUA TREE (1987)
  ACHTUNG BABY (1991)
  ZOOROPA (1993)
  POP (1997)
  ALL THAT YOU CAN’T LEAVE BEHIND (2000)
  HOW TO DISMANTLE AN ATOMIC BOMB (2004)


 * * * * * * * * * * * * * * * *

 【現在のU2は決してアルバムを何千万枚も売ることはない。ツアーがソールド・アウトになるとも限らない。それでも彼らは長年“ザ・ビッゲスト・イン・ザ・ワールド”と呼ばれ続けており、誰もが納得している。ここで言う“ビッゲスト”とは何を意味するのか? それは彼らに向けられた畏敬の念に根差しているのではなかろうか。なぜなら彼らは、ビッグであることは足枷にも言い訳にもならないのだ、と身をもって証明してきたのだから。チャリティ活動にも積極的に名を貸したり大スペクタクル仕様のツアーを敢行するなど、ビッグだから出来ることには躊躇しない。しかも中途半端に終わらせることはない。その一方で子供のように純粋かつ貪欲な好奇心と冒険心を抱いてサウンド指向を転換して我々を驚かせ、ルーツ音楽もテクノロジーもダイナミックに消化してゆく。結局、バンドの原点は特定の音楽スタイルではなく、ヒューマニズムやスピリチュアリティ、理想主義といった姿勢なのだ。だから彼らには迷いがない。だから自由なのである。

 (新谷洋子、クロスビート2001年1月号より)

2004年12月28日

LED ZEPPELIN



●メンバー:

  ロバート・プラント(vo)
  ジミー・ペイジ(g)
  ジョン・ポール・ジョーンズ(b)
  ジョン・ボーナム(ds)


●ディスコグラフィー

  LED ZEPPELIN (1968)
  LED ZEPPELIN U (1969)
  LED ZEPPELIN V (1970)
  LED ZEPPELIN W (1971)
  HOUSES OF THE HOLY (1973)
  PHYSICAL GRAFFITI (1975)
  PRESENCE (1976)
  IN THROUGH THE OUT DOOR (1979)


 「ヘヴィ・メタルって言われると馬鹿にされた気がするな。俺たちの音楽はそこらのヘヴィ・メタルのように、ただ馬鹿でかい音で単純なリフを繰り返すだけじゃないんだ。ダイナミックでありながら繊細で、光と影のめりはりがあり、エモーショナルでドラマティックで、より複雑なものだ」(ジミー・ペイジ)


 * * * * * * * * * * * * * * * *

 【あらゆるハード・ロック/ヘヴィ・メタルの元祖にして最高峰。初期2枚のアルバムに込められた高密度のエネルギーと緻密なサウンド構築の驚くべきクオリティ、後期の変拍子とメタリックなリフで押しまくるハード・ファンク/ロックのオリジナリティは、現在に至るまでまったく古びていないばかりか、これを超える作品は未だに存在しないほど。
 だが彼らの真価はそれではない。アメリカ南部からケルト、インド、アラブといったルーツを俯瞰し、フォーク、ブルース、ソウル/ファンク、民俗音楽までも飲み込んだ真にクリエイティヴなミクスチャー・ミュージックを作り上げ、脱ロック/脱西欧的な、いわば後のワールド・ミュージックにも通じるロックの新しい可能性を大きく広げたことにある。功だけではない。その強引とも思えるビッグ・ビジネス路線は彼らを70年代最大のスーパー・グループへと押し上げたが、反面ロックの巨大産業化の元凶として、パンク世代からの厳しい批判も浴びた。】

 (小野島大、クロスビート2001年1月号より)




2004年12月16日

NIRVANA



●メンバー:

  カート・コバーン(vo,g)
  クリス・ノヴォゼリック(b)
  デイヴ・グロール(ds)


●バイオグラフィー

 1967年2月20日 カート・ドナルド・コバーン、ワシントン州アバディーンに生まれる。
 1986年       カートとクリスの音楽的交流が始まる。
 1989年6月    『BLEACH』インディレーベル「サブ・ポップ」よりリリース。
 1990年9月25日 デイヴ・グロールが正式ドラマーとして加入。
 1991年9月24日 『NEVERMIND』リリース。全米チャート初登場144位。
 1992年1月11日 『NEVERMIND』全米チャート1位となる。
 1993年9月14日 『IN UTERO』英ゲフィンから先行リリース。アメリカ盤発売はその1週間後。 
 1994年3月4日 カート、精神安定剤を過剰摂取して自殺未遂をはかり、意識不明に陥っているところをコートニー・ラヴ(妻)に発見される。3/8退院。
 1994年3月18日 カート、拳銃を手にして部屋にたてこもり自殺を仄めかすが、ラヴの通報で駆けつけた警察によって拘束。多量の薬物と銃器が押収される。そしてこの月の終わり、カートはLAにあるドラッグ中毒のリカヴァリー・センターに入院するが、2日ほどで脱走。シアトルへと舞い戻った後、消息を絶つ。
 1994年4月8日 午前9時頃、シアトルのコバーン邸の警備システムを点検に訪れた電気工が、カートの遺体を発見。ショット・ガンによる自殺で、死亡推定時刻は4/5の午後。
 
(「FROM THE MUDDY BANKS OF THE WISHKAH」ライナーノーツ(岩崎隆一)より引用、一部改変)


●ディスコグラフィー(オリジナルアルバムのみ)

  BLEACH(1989)
  NEVERMIND(1991)
  IN UTERO(1993)


 私はカートを神格化する気なんてさらさらない。
 彼はパンクに忠実に殉教した。クズみたいな死に方だ。まさにシド・ヴィシャスのように。
 誠実なやつだとは思う。ロックに対してこんなに誠実なやつはそうそういないよ。真面目でナイーヴで、ゆえに苦しんで。
 あふれんばかりの才能を持ち合わせていました。偽物が多い世の中、彼はまぎれもなく本物でした。
 でもね、家族を残して死を選ぶようなやつは、やっぱりクズです。彼の生み出した音楽はすばらしいし、最大級の賛辞でもって肯定するが、死に方は否定します。
 コートニーの唄う「BOYS ON THE RADIO」が胸に痛い。


  あなたの果てない夏の夜
  あたしは向こう側の人
  麗しく死んでいくあんた
  世の中をすっかり否定して・・・
  水がそんなに深いんだったら
  目を閉じて 本気で寝ちゃえばいいのよ
  今夜は
  美しいものが見えないあんた

  入れてあげようか この肌の下
  生き返らせてやろうか 息絶えたエンジェルたちを

  絶対 絶対行かないと あいつは言ってたわ
  天に誓って行かない と
  決して 決して遠くへ行かない と
  BABY あたしはもういない

  知ってるわ 何を目指して走ってるのか
  お願いだから戻ってきてよ 戻ってきてよ もう一度
  真実が聞こえてくる
  あんたから流れてくる
  OH 戻ってきてよ 戻ってきてよ もう一度

  あなたの果てない夏の夜
  あたしは向こう側の人
  水がそんなに深いんだったら
  あたしが辛さを和らげてあげる
  朝になり きらびやかさが消えていったら
  振り返ってみてよ あたしの虚ろな目がそこに
  美しいものが見えないあんた

  やっぱり芯まで腐ってるのね
  やっぱりもう あたしを愛してないのね
  やっぱり芯まで腐ってるのね

                            
(対訳:染谷和美)


 * * * * * * * * * * * * * * * *

 【派手なビッグヘア主流だったロックを普段着のものにした。厚塗りのシンセサイザー主体の加工されたロックをむきだしのゴツゴツしたものに戻した。音楽産業の中心とは遠いアメリカ北西部の街からの突如登場した。たしかにそうした功績も大きい。だが、このバンドの成し遂げたことでもっとも大きかったのは、「聴き手の精神的覚醒」という意味での革命だった。ハリウッド冒険活劇の如き莫大な娯楽産業で当たり前になっていた虚飾なロック界を蹴落とし、社会に対しての制御不能な怒りや自己の中に鬱積していた苦悩表現するものを主流に押し上げてしまったこと。自分だけでなく、80年代から水面下でマグマのように溜まっていたインディの先鋭的なバンドの相次ぐ爆発を誘導したこと。そして終いには、ほんの前年まで「強い国家」を諸手をあげて支持していた世論までガラッと変え「政権交代」までを起こしてしまったこと。全てがシステム化したこの世の中で、ロック本来の姿をここまで再認識させたのは奇蹟としか言いようがない。】

(太澤陽、クロスビート2001年1月号より)


   




2004年12月08日

The Smashing Pumpkins



●メンバー:

 ビリー・コーガン(vo,g)
 ジェイムズ・イハ(g)
 ダーシー(b)(「Machina」完成後脱退)
 ジミー・チェンバレン(ds)(96年(97年?)脱退、その後「Machina」で復帰)


●バイオグラフィー

 1988年シカゴで結成。
 デビューアルバム「Gish」が全世界で100万枚を売り上げる。
 「Siamese Dream」が全世界で500万枚を売り上げる。
 「Mellon Collie and the Infinite Sadness」が全世界13カ国でチャートナンバー1を獲得し、700万セット以上を売り上げる。
 2000年解散。


●ディスコグラフィー(オリジナルアルバムのみ)

  Gish(1991)
  Siamese Dream(1993)
  Mellon Collie and the Infinite Sadness(1995)
  Adore(1998)
  Machina: the Machines of God(2000)

 
 いわゆるニルヴァーナ以降のグランジ/オルタナティヴと分類されるような音楽スタイル。
 ニルヴァーナがメタル+パンクであるとしたら、彼らの音楽性はメタル+ニュー・ウェーヴ。ニュー・オーダーやデペッシュ・モードの影響を感じられる。
 彼らと称したが、楽曲の大半はビリーの手によるものであり、とくに後期はほとんどビリーのワンマンバンドになっていた。 
 
  
  × × × × × × × × × × ×


 【アーティスティックに自らの音楽を追及し、妥協を許さないその姿勢は正しくオルタナティヴ。同じような多くのバンドが狭いフィールドの中で停滞し自己満足に陥っている中で、スマパンはシーンに迎合して一つところに留まったりすることなく、常に開かれた音楽観で多様性を手に入れ、着実に進化を実現していった。それが最良の形で現れたのが95年発表の「メロンコリーそして終わりのない悲しみ」で、本作は2枚組みにも拘らず初登場全米一位という快挙も成し遂げ、オルタナティヴが文字通りの”オルタナティヴ”ではなくなる瞬間を見せつける。残念ながら今年解散になってしまったスマパンだが、それも妥協を許さぬビリーの美学の表れ。】

(山本純子、クロスビート2001年1月号より)

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