2005年04月13日

oasis



●メンバー:

  リアム・ギャラガー(vo)
  ノエル・ギャラガー(g,vo)
  ポール“ボーンヘッド”アーサーズ(g)(1999年脱退、後任はゲム・アーチャー)
  ポール“ギグジー”マクギガン(b)(1999年脱退、後任はアンディ・ベル)
  アラン・ホワイト(ds)(前任者トニー・マッキャロルを解雇し、1995年加入)


●ディスコグラフィー

  DEFINITELY MAYBE (1994)
  (WHAT’S THE STORY) MORNING GLORY ? (1995)
  BE HERE NOW (1997)
  STANDING ON THE SHOULDER OF GIANTS (2000)
  HEATHEN CHEMISTRY (2002)


 「MORNING GLORY」までで終わってしまったバンド。それが私の彼らに対する評価。
 はじめて「MORNING GLORY」を聴いたときには鳥肌が立った。当時高校2年生。まだ洋楽を聴き始めたばかりだった。クラス一の洋楽ロックマニアだった友人が「カッコイイよ、聴いてみなよ」と貸してくれた(彼はほかにも、ニルヴァーナやパール・ジャムやナイン・インチ・ネイルズといったグランジ/オルタナ系のバンドをいくつも私に紹介してくれた、いま考えれば大恩人)。
 たとえば「Wonderwall」なんかはほとんど奇蹟だ。「WAR」や「THE STONE ROSES」のように名盤と呼ばれるものだけが持つ独特の空気感をともなうアルバム。大満足だった。

 それだけに期待を持って買った次のアルバム「BE HERE NOW」には大いに落胆させられた。
 本国では評論家たちが絶賛したらしいが、どこが? という感じ。「MORNING GLORY」の評価を見誤ったことに対する反動だろう。ある程度のクオリティに達しているのは3、4曲しかないこの作品と、おそらくロック史上に燦然と輝くだろう前作とを比べるほうが愚かしい。

 オアシスはメロディで聴かせるバンドである。にもかかわらずそれがほとんどない。さらに「Wonderwall」が持っていたような空気感もない。「基本的にはへヴィ・ロック・アルバムなんだ」とノエルが言うわりには、どうしようもなく音がスカスカである。ただ、ディストーションをかけただけというような安易な音だ。

 つまりメロディもサウンドもクソみたいアルバム。のちにノエル自身が駄作と評するまでもなく、まぎれもない駄作である(私は出たときにすでに駄作と気づいていたが)。もしこのアルバムを良いと思ったあなた、自分の耳を疑ったほうがいい。日本盤の宮嵜広司によるライナー・ノーツは笑える。『「ドント・ルック・バック・イン・アンガー」を凌ぐとも劣らないノエルのバラッド「マジック・パイ」をはさみ』だってさ。アンタの耳大丈夫?(笑) どこが「ドント・ルック・バック・イン・アンガー」を凌ぐとも劣らないんだよ。完全に劣ってるだろが。
 
 とはいうものの、すべてが悪いわけではない。「Don’t Go Away」のサビには泣かされた。この泣きのメロディこそノエルの真骨頂である。シングルにもなった「Stand By Me」「Don’t Go Away」「All Around The World」あたりは水準に達しているし、いまでもよく聴く曲である。これぞオアシス、これぞノエル、と呼べるすばらしい楽曲たちだ。しかし、アルバム一枚を通してはとてもじゃないが聴けない。あとはすべて棄て曲。聴く価値なし。1曲目から「D’You Know What I Mean ?」というひどく退屈な曲を7分も聴かされたんじゃたまったもんではない。
 
 と、ほとんど「BE HERE NOW」がいかに駄作かという半ば愚痴のようなものになってしまったが、当然ながらオアシスがまるっきりダメなバンドというわけではない。「(WHAT’S THE STORY) MORNING GLORY ?」は名盤である。この歴史的作品を生み出しただけでもオアシスの存在意義はあった。


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 【シンプルで美しく、しかもダイレクトかつ愚直なまでに胸を打つ曲を生むソングライターと、そこに魂を吹き込む倣岸不遜な天才ヴォーカリスト。マンチェスターの労働者階級に生まれ、一歩間違えれば単なるチンピラだったかもしれないこの兄弟がタッグを組んだ時、様々な記録を塗り替えロック史に名前を残す、90年代のイギリス最大のバンドが誕生した。
 その普遍的なメロディで大観衆を歌わせる起爆力は、他に比するものがないほどの熱さを生む。ビートルズを目指し、崇め、とはいえロックの先達の心意気を「継ぐ者」として、自身を位置づける。音楽そのものへの真摯な情熱に加え、この裏表のない謙虚な一本気さも、彼らの魅力だ。しかも、世界一のバンドになってなお、兄弟ゲンカという唯一の理由で解散危機を生み続けるという意味でも、他に比するものがない。しかも、彼らと同系統のサウンドを生むバンドすら、同時代にはよく考えたら存在しない。やはり、このバンドは際立っている。】

 (妹沢奈美、クロスビート2001年1月号より)


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